総合職女子よ、これでええんや!

総合職女が、自分の納得できる夢を掴むまでのライフハック・活動ブログ。大企業・(今は)東京勤務。

【体験レポ】案外できそう?!もしも大企業総合職女子が、カフェのオーナーになったら?

大企業総合職女子、カフェの一日オーナーになってみた

友人の紹介で、カフェ兼コワーキングスペースを経営している男の子たちに出会った。

1人はもとから企業、1人は大手銀行を脱サラして立ち上げをしたという。起業家は数名いるがオフィスではなく店舗を持った友人は初めてだったので大変興味を持った。

 

たった一つ好きなことを挙げよと言われたら、私は料理と答える。というか食に関することは何でもとても興味がある。

腕前は所詮主婦の域を出ないが自炊は極力するようにしているし、作るときは一汁三菜が基本。漫画を買えば食に関する漫画をどうしても手に取ってしまうし、営業に行くときは必ず近くの美味しそうな店をリサーチしながら出かける。

高級スーパーの調味料コーナーの、宝石箱のような様を美しいと思って、眺め歩いたことは中学生の頃から数知れずである。

成功した経営者は、何事も自分の愛する分野で勝負すべきだという。

食が、私に現状で有り得る数少ない情熱と言えるとしたら、彼らと何か出来ることがないかと出会った頃から思っていた。

カフェのオーナーってそんな感じでいいの(笑)

話をしているうちに、彼らカフェのオーナーにも拘わらず料理がからきしだということが判明した。コワーキングスペースから始まったため、料理はおまけでほとんど注文もなかった。今まではその場しのぎで対処してきたらしい。

しかし近日中に50人を収容し料理を振舞ってほしいと予約が入ってしまった。スタートアップの彼らに断る権利も理由もないが、物理的な人手もまともに料理出来る人間もいないとのことであった。

これは面白いと思い、自らボランティアを志願した。最初は単純に厨房のお手伝いをして、カフェ運営の苦労でも垣間見れればよいなと思ったのである。

しかし当日オーナー1/2が風邪でダウン、昼はまだしも夜には助っ人が4人もいたのに気づいたら私だけになってしまった。突発的に臨時カフェオーナー1/2の誕生である。

 

 

これなら私にも出来るかも?

<開業について>

カフェはがらんどうの空間に、人工芝が敷かれ、キャンプ用品のようなイスとテーブルが並ぶ。天井からはハンモックが吊り下げられ、ゆったりとした時間が流れている。

カウンターやキッチンは手作り感満載、聞くところによると開業資金はおよそ300万円とのことであった。20代総合職女子にとっては、ボーナスに2~3年間手を付けなければ一人でも出来る金額だ。共同経営者がいれば1年で出来るだろう。私にとってはとても現実味のある数字だった。

 

<集客について>

通常のカフェ営業に加えて、貸しスペースのサービスに登録している彼らのお客様は、ふらっと来た人よりもセミナーやパーティーなどまとまった団体客が多い。場所代だけとったり、頼みに応じて飲み物や簡単な料理を出しているような感じだった。

また、店の一角には物販・イベント告知のスペースもあった。知り合いの扱っているものでいいと思ったものや、地域のイベントを広告して、地域と一緒によい場所になっていこうということらしい。

彼らの力の抜けた、でも出来ると思ったことは全部やっていこうという心持ちが伺えた。

<料理について>

本当に彼らは料理についてはからきしだった。

メニューの想定品数とざっくりとした材料を渡され、ディテールは任せるといわれた。本当にそれだけであった。

その間オーナーの彼らは何をしていたかというと、カウンターでバーテンをやっていたので、本当に身勝手にやった。純粋にあ、これでお店って出来るんだと思った。大層なことから始めなくていいんだ、と思って、なんだか可笑しくもうれしくもなった。

料理に集中している間、お客さんに料理を出す際に話しかける間、時々ピンチヒッターでアルコールを作る間、どれも本当に楽しかった。作業自体が苦痛でないのだ。その瞬間やるべきことが決まっていて、目の前のことをやること自体が純粋に楽しい。私にとって、体力的には疲れるがとってもストレスフリーな状態であった。

地域に迷惑をかけては経営できない

夜は夜でイベントがあって、2人で40人分が怒涛のように頼んでくるアルコールを提供した。元々あるメニューは値段ももちろん決まっていたが、全権委任され、お客さんがちょっとつまみがほしいと言われれば適当に作って適当に価格設定して出していた。

しかし騒音が過ぎて警察が登場。閑静な商店街の一角で、防音対策がされていない建物で、結構な音量で音楽を流していたので無理もない。

流石にバイトだからと私はそそくさ逃げたが、私と歳の変わらない男の子は警察に謝っていた。この一日で半月以上分を売り上げ、今月の経営危機は救われたと喜んでいた一方で、地域の皆様にご迷惑をかけてしまったから今後はよく考えないと、同じことはできないねと経営者として反省していた。私も思うところを言ってその場を後にした。

お客さんが何をやるか、完全に予想することは業態上難しい。しかしそれでも店を構える上での責任というものはあるのだ。だけど出来ることからやるしかないから、次から気を付ける、と言った彼は、表情を一つも変えずに大量のグラスを洗っていた。

 

やりたいことは、肩肘張らずに、始めていい。

一日オーナー体験してみて、学んだのはこの一言に尽きる。

やりたいことをやる過程で、困難はある。だけど助けてくれる人はいるし、失敗したらその都度反省すればいいのだ。

それに多少やりたいこともぼんやりしていてもいいのかもしれない。彼らにはコンセプトこそあれ、何をどうするかは走りながら決めていっているし、出来ないことは堂々とできないと言う。やってみたいことは始めてみている。本当にそれだけであった。

 

私なら何をやろうか。

食にまつわる本がたくさん置かれた、カフェ兼キッチンスペース、なんていいかもしれない。夢を具体化して考えてみたら?と、後押ししてもらったような気がした。